TTP

APECを前に

<ドル円>
・ポジション76.2円(売)→75円(決算)78円(ストップ)

さて、昨日のブログの続きで、日本はAPECの前にTTP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加するかしないかの決断をしなければなりません。協定の中にはシンガポールやニュージーランドなどの4カ国が含まれていますが、GDPの91%以上をアメリカと日本が保有しているので、いわゆる日本とアメリカのFTA(自由貿易協定)と言っても過言ではないと思います。
去年11月、韓国はアメリカとFTAを結びました。韓国はずっと拒否していたのですが、北朝鮮からの砲撃があり、その直後に結んでしまいました。韓国のFTAを見ればTTPの内容も検討がつきます。韓国は米以外の関税を撤廃、アメリカにも同じように関税を撤廃してもらいました。しかし、韓国は一部の企業が秀でた収益を上げていて、輸出の領域はそこまで大きくありません。自動車に関しては関税は2.5%でした。韓国は日本と同じく、現地生産を進めているので、韓国国内で部品を作ることは、あまりありません。ですから、関税を撤廃してくれたとしても、そこまで意味がないものでした。その上、この関税撤廃には裏があり、アメリカが不利益を被っていると感じると、もとの関税に戻すことができるという注訳つきのものでした!
さて、ここまでは、韓国の利益についてです。では、その代償をアメリカに払わなければなりません。まずは、車の関税を撤廃したので、韓国の市場にアメリカ車が参入できるようになりました。すると、排気ガス規制もアメリカの基準にするように変えられました。車だけでなく、すべてがアメリカに優位になるように規定が変えられました。食品の安全基準さえ、アメリカの基準にするように変えられたので、食の安全を自国で守ることができなくなりました。
それだけではなく、共済も解体されました。なぜなら、アメリカの保険会社が参入できないからです。更に、アメリカの安い薬を売ったならば、不服機関へ申し立てができる制度もつけました。そして、外国人弁護士が事務所を開設できるようになりました。
ここまでは序の口です。
すべての規定において「ラチェット」が設けられました。
ラチェットというのは、爪のついた歯車のことで、一方方向には動くけれども、爪がついているので逆方向には動きません。つまり、韓国側がアメリカの牛肉を買って、アメリカでBSEが発生して、「もうアメリカの牛肉なんていらない!」と思っても、歯車は逆には動きません。認めるしかないのです。
もっとも恐ろしいのは、ISD条項です。
アメリカと韓国で問題が起こっても、中立機関を通してしか訴えられません。もともとNAFTA(北米自由協定)で設置された条項で世界銀行の傘下にある国際紛争解決センターに訴えることができるという条項です。この仲裁所は「投資家への被害」を元に審理されます。ですから、安全性のためなどは基準になりません。判例に拘束されず、非公開です。更に、裁判結果は「絶対」で上訴が不可能です。法解釈が間違っていても直すことができません。このせいでカナダはひどいめに合いました。ガソリンに神経性の物質を入れることを禁止していたのですが、アメリカはこの環境規制が自分たちに損害を与えたと言って、カナダ政府を訴えて勝訴しました。カナダ政府は、そのために規制を撤廃させられ、1000万ドルの賠償金を支払わなくなければなりませんでした。更に、韓国のFTAではアメリカが韓国を訴えることができても、韓国がアメリカを訴えることができないという不平等条項まであるのです。
この協定を日本は結ぼうとしています。
来月のAPEC開催まで相場は荒れるでしょう。